CrossTalk
02.管理者対談

新卒で緑陽会に入職し、
キャリアアップを重ねながら
同じ施設の管理者として
活躍するお二人に、
仕事のこと、緑陽会のことについて
たっぷり語っていただきました。

Member
長尾 美恵子(ながお・みえこ)
グループホーム風ぐるま 管理者 / 2008年入職
川上 知恵(かわかみ・ちえ)
グループホーム風ぐるま 管理者 / 2010年入職
(現:特別養護老人ホーム緑陽園 介護職員)
介護という仕事について
――お二人は専門学校から新卒で入職されていますが、入職してから感じた仕事の難しさや学生時代と違うと感じたことについて教えてください。

【長尾】 施設はシフトによって24時間カバーし、利用者様の生活を毎日支えるため、人によっては慣れるまで大変と感じることもあると思います。

【川上】勤める施設によっては入浴介助やトイレ介助の介助レベルが違うことも関係ありそうですね。 学生時代には施設によってこんなに違いがあるとは思っていませんでしたね。

【長尾】実習に行っていたんだけどねえ。

【川上】働いてみると違っていることもありましたね。

――実習と仕事では具体的にどのような違いがありますか?

【川上】わたしが実習した際はできることが限られていて、担当させていただく利用者様を一人に絞り、コミュニケーションをとりながらその方にあったケアプランを立案していくという内容でした。

【長尾】わたしも実習期間でコミュニケーションをとり、ケアプランを立案して実行・評価するといった内容で、さらに夜勤も経験しました。 実際に働いてみて、24時間利用者様をサポートすることは大変ではありますが、働くことでより深く・正しく知ることができると思いましたね。

【川上】学生の時とは違って利用者様全員と向き合うことになります。そうすることで一人ひとりの利用者様と深くかかわっていくことになり、皆さまの想いや感情を知ることで、自然とコミュニケーションもさらに寄り添っていくものに変わりました。

【長尾】学校や実習では基本的な介護技術を学びましたが、施設ではそれを応用しなければいけないので、その方にあった介護技術や施設の方針、自身の体格など様々な要素から利用者様に対して何ができるか考えなければいけないですね。
また、ご家族様に利用者様の現在の状況をお伝えしたり、聞かれたことについて答えたりとご家族様との関わりが増えますし、スタッフとの関わり方も実習と違います。
一人ではできない仕事なのでスタッフ同士で協力することが大切ですね。
高齢者介護の魅力とは
【長尾】「ありがとう」と言っていただけると、わたしがその人のために役立てたと感じて素直に嬉しいです。また、グループホームのように自立している方たちと一緒に生活するようになると、こちらが「ありがとう」という場面のほうが増えました。利用者様からいろいろなことを教えてもらえたり昔話を伺ったり…。
助けてばかりではなく、身近なところで『お互いに助け合っている』と感じられるのも魅力だと思います。風ぐるまもそういった雰囲気ですね。

【川上】わたしに家事スキルがなさすぎて、利用者様のほうが上手にできることもたくさんあるので「お願いします!」と頼ることも多いです(笑)

【長尾】人生の先輩ですしね…(笑)
"介護の魅力"への感じ方は人それぞれで違うとは思いますが、子供のころにおじいちゃん・おばあちゃんと関わっていると、魅力を感じやすいのかもしれません。人生でも大切な終末期と呼ばれるところに関わりますしね。
でも高齢者福祉に限らず、障がい者福祉やそれ以外の分野でも『お互いに助け合う』という思いは共通していますし、大事なところだと思います。
看取りケアについて
【川上】わたし自身、学生時代には身内や身近に亡くなった人がいなかったので、看取りについても学校の授業で話を聞いて「貴重な体験なんだ」と思うくらいの感覚しかなく、看取りへの不安はありました。 でも実際に看取りに立ち会ったとき、最期に携わらせてもらえてよかったと感じました。

【長尾】学校で教えてもらって印象に残っている言葉が「死ぬことは生きること」。
学生の時にはピンと来ていなかったんですけれど実際に看取りに立ち会って、どんな段階を踏んで最期を迎えるかということを考えることは、亡くなったあとまで生きているということであり、 死を考えることは生きることなんだと感じましたね。 利用者様が亡くなった後に「あれもしてあげればよかった」「ご家族様にああいえばよかったのかなぁ」と考えることも多く、100%やりきったとはならないですし、なってはいけないと個人的には思っています。 自分のなかでも一生覚えていることだろうし、心に残るものですね。
福祉の現場に求められる人物像
【川上】現場ではスタッフ間の人間関係もとても大切なので礼儀正しく、素直な方が成長していくとこれまで見てきた経験から思います。
一方で「こうじゃなければいけない」という思いが強いと、馴染むことが難しくなるかもしれません。「あ、そういうやり方もあるんだ」と思ってもらえたらいいですね。

【長尾】社会人になって一番最初につまずくことは仕事とプライベートのバランスかもしれませんね。仕事ばかりになってしまったり…(笑)
今はコロナ禍で制限されている部分もありますが、趣味があって、自分で気分転換ができる方は介護職に限らず社会人に向いていると思います。
職場の雰囲気
【長尾】いつもどこかから話し声や笑い声が聞こえてきたりしていて、和気あいあいとしていませんか?

【川上】そうですね。レクをする機会もさらに増えて、利用者様も楽しそうですよね。

【長尾】利用者様の状況によって変化はありますが、今は新たに入居者様が増えたことで、どちらのユニットからも利用者様の声が聞こえていますね。

――利用者様のお力があってこその今の雰囲気なんですね。

【川上】和やかな雰囲気だと「また明日も頑張ろう!」と思いますね。

【長尾】職場の雰囲気は施設ごとに少しずつ違うと思いますが、職員同士で声をかけあうなどのコミュニケーションをとりながら、協力して仕事をしているところは緑陽会のどの施設でも共通していますね。
入職から現在までのステップ
【長尾】わたしは特別養護老人ホーム緑陽園に新卒で入職しましたが、入職して3ヶ月目には「1年勤めるのは無理かも」と思う気持ちもあったんですよね(笑) でも、まずは3年頑張ろう、そして次は5年…と続けていたら異動の希望が叶ってグループホームの管理者になりました。
入職した当初、当時の介護主任に「初めて経験する施設が特養なのは良かったと思うよ」と言われ、その時は言葉の意味がわかっていませんでしたが、グループホームに勤めてみて、利用者定員の多い施設で身についた介護技術は応用が利きますし、どの施設に行っても通用すると今では実感しています。

【川上】わたしも周りの職員の方からの励ましとサポートで3年頑張ったら5年いた、5年いたらサブリーダーになっていたみたいな感じでした(笑)

【長尾】その後は実践者研修(認知症介護実践者研修)を受けて、介護インストラクター研修を受講しました。

【川上】介護インストラクター研修は一緒に受講しましたね(笑)

【長尾】同じ時に受講でしたね(笑)
管理者になるにあたっては、外部の管理者研修を受講しました。法人に所属しているだけで定期的に研修を受ける機会に恵まれますね。

【川上】わたしが勤めていた老健では新卒で入職してから6年目になる子が頑張っています。そういった方が増えたらいいですね。

【長尾】自分の経験から「続けないとわからないことがあるよ」という思いと「そこだけが全てじゃないよ」という思いがあります。 緑陽会には異動希望調査といった異動の仕組みがあるので、そういった機会を活用してステップアップしてもらいたいですね。
教育体制について
――緑陽会ではキャリアサポートや指導担当制などの教育体制がありますが、お二人はどんな印象をお持ちですか?

【長尾】先程話題にあがった介護インストラクター研修を受講したことで、今まで後輩に教えていた内容よりもたくさんのことを教えられるようになりました。 現在では、インストラクター職員が各事業所に配置されていますね。

――教育体制が整っているほうが教わる側として嬉しいですか?

【長尾】教育体制がしっかりしていないと、ただやり方だけを教わることになり「みんな言っていることが違う」となることで、どれが本当かわからなくなり、教えてくれる人によってやり方を変えてしまうことになります。それでは応用も利かないですね。

【川上】インストラクター職員は根拠に基づいた指導をしますが、大切なのは『その根拠は何か』というところです。利用者様一人ひとりの病気や身体の特徴・想い、それらを理解できていなければ正しい介護に結びつかないですね。

【長尾】緑陽会では新任職員研修で基本となる介護技術を学ぶため、現場では利用者様一人ひとりにあった介助の根拠を学ぶことに時間をかけることができます。
新任職員研修・現場でさまざまな職員から教えてもらえるということもいいところですね。教育体制がしっかり整っていると思うので安心して入職していただければと思います。

今後について
【川上】コロナが落ち着いたら我慢している分、利用者様といっぱい遊びに行きたいです!

【長尾】わあ、素晴らしい!まず近所のお店にソフトクリームを食べにね?

【川上】そうですね(笑)

【長尾】利用者様にご家族様と外泊もしてもらいたいですね!

【川上】そのためには皆さんの力が必要!

【長尾】若い力が必要です!お待ちしています!
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